- 地震に被災した直後の行動
一般社団法人全日本防災計画協会
黒田尚寛
一般社団法人全日本防災計画協会
黒田尚寛
被災時のみならず、日常的に情報を取得する為に使用しているスマートフォン。最近では災害時に公的機関などもSNSやツイッターで最新情報を流すことも増えており、これらの情報を取得するのはスマートフォンが便利です。ますます重要なツールとなりつつあるものの、スマートフォンにはある欠点があります。それがバッテリーです。
これまでの災害時の被災された方の声として、「停電のためテレビで災害情報を知りたくても、見れなかった」「携帯電話のワンセグやスマートフォンで情報を知りたいけれど、バッテリーの消耗と、消耗してた際にどこで充電できるのかわからなかったため、頻繁に使いたくなかった」また、「災害時に優先的に使用する携帯電話を会社から渡されていたので、災害直後の連絡にはかなり役に立ったが、バッテリーが無くなってしまったため、2~3日で連絡できなくなった。大規模災害時は、バッテリーが命であると思い知らされた」といったものがあります。
他にも、「保険金の請求の為に証拠写真を撮りたいけれどバッテリーがなくて取れなかった」といった声もありました。スマートフォンをより多く使える方法を考えたいと思います。
バッテリーを少しでも長く持たせる方法としては下記の点に注意しましょう。
被災時にスマートフォンのバッテリー切れを心配して、電話を使うとき以外は電源を切っていたという方もおられたようです。もちろん電源を切るのはもっともバッテリーを長持ちさせる方法ではありますが、安否を心配しての連絡をかけてきてくれた場合、緊急速報などの受信機会を逸失していまいます。最低限の機能を維持して、スマートフォンを使うにあたって、この記事がお役にたったら幸甚です。
「ワンセグや災害優先携帯もバッテリーが命」(内閣府)(http://www.bousai.go.jp/kyoiku/keigen/ichinitimae/thh25002.html)
(参考)マイポケットstyle(ちょっとした工夫でバッテリー長持ち!快適スマホライフのための省エネTIPS https://mypocket.ntt.com/column/save-battery-life.html
ディスプレイは意外とバッテリーを消耗しています。
・画面の明るさを落とす
・画面の自動オフの時間を短くする
・使い終わったら、画面を消す
これらを意識しておきましょう。
接続先がない場合、接続先を探すのにバッテリーを消耗します
・Wi-fiをオフにする
・Bluetoothをオフにする
必要がない機能は使わないようにしましょう
・位置情報サービスをオフにする
・機内モードにする
通信機能をオフ=GPS、Wi-fi、Bluetooth機能もオフになるので消費を抑えることが可能です
・低電力モードや省電力モードなどの、消費を抑える機能を利用する
・アプリのプッシュ通知をオフにする
通知があるたびに電源がオンになり、バッテリーを消耗するため
・アプリのバックグラウンド(起動したらすぐに操作できるようになっている状態)をオフにする
・不要なアプリを削除する
バッテリーの消費を抑えるために開発されたアプリを入れることで、そのアプリが自動的にスマートフォンの節電をしてくれます。しかし、それぞれのアプリの特性を理解した上で使用しないと、スマートフォンのメモリーを消費して使い勝手が悪くなることもあるので、注意が必要です。
・iPhoneの場合…バッテリーの使用状況や通信を制限した場合(例えばBluetoothやWi-fiをオフにした場合)のバッテリーの残量がわかる機能を持つアプリが多くあります。
・androidの場合…大きく次の3つのタイプに分けられる。
(1)「性能・機能制限系」アプリ
バッテリーの残量が少なくなってくると、機能や性能を落とす
(2)「タスクキラー系」アプリ
バックグラウンドで無駄なアプリが起動していることがあり、これを停止する
(3)「通信キラー系」アプリ
電源は入っているが画面を消しているスリープ状態の時、通信をオフにする
充電して繰り返し使えるリチウムイオン電池を内蔵した携帯充電器です。ものによっては、モバイルバッテリーを満タンにしておけば、スマートフォンの充電が2~3回可能なものもあります。選ぶポイントは下記の3つです。
1,コンパクト
容量:3000mAn以下・スマホの充電:半分〜フル
2,バランス
容量:4000mAh~9000mAh・スマホの充電:2~3回
3,大容量
容量:10000mAh以上・スマホの充電:5~7回
乾電池を使ってスマホなどを充電できる充電器のことで、事前に充電器を充電しておかなくても乾電池があれば使用できます。乾電池は容量が大きくないことから、多めに用意する必要がありますが、乾電池はラジオ、ライト、時計など災害時に必要となるものに代用することも可能ですし、長期保存にも向いています。また、これまでの被災直後においてラジオが情報源として役立ったという話も多くあります。
災害時には市役所や携帯ショップ、避難所でスマートフォンを充電できる可能性があります。これらの災害時における充電可能な情報だけでなく、通信障害、無料Wi-fiスポットなどもツイッターやSNSで発信されています。
これらの充電可能スポットは長蛇の列が出来ることが多く、状況に応じて充電の実施時間を決められていることもあるようです。